MULTILINK にも色々とありまして [CodeWarrior]
何だか、「Multilink」を目当てに来ていらっしゃる方が多いので、「Multilink」について解説します。 おとなの都合により、写真はありません。
HC08用MULTILINK
8-bitマイコンのHC08シリーズは、MON08というデバッグ用インターフェースを備えています。 このインターフェース規格を使ってデバッグを行う「Multilink」が存在します。
- M68MULTILINK08
この Multilink は、PCのプリンタポートに接続するように設計されています。 そのため、最近のPCでは使用することはないでしょう。 現在は、販売もされていないようです。
- USBMULTILINK08
この Multilink は、PCのUSBポートに接続するように設計されています。 価格は、$99.00です。
MON08インターフェイスは、正式には16ピンのコネクタで提供されます。 これらの「Multilink」は、MON08インターフェースしか備えていないため、HC08マイコンにしか使用することが出来ません。 HC08マイコンは、MC68HC908XXという型番がついています。
HCS08 / RS08 / ColdFire V1 用MULTILINK
8-bitマイコンのHCS08シリーズおよびRS08シリーズ、 16-bitマイコンのHCS12シリーズ、 さらに32-bitマイコンのColdFire V1シリーズは、Background Debug Mode (BDM) というインターフェースを備えています。 このインターフェイス規格を使ってデバッグを行う「Multilink」が存在します。
- M68MULTILINKS08
この Multilink は、PCのプリンタポートに接続するように設計されています。 そのため、最近のPCでは使用することはないでしょう。 現在は、販売もされていないようです。
- USBMULTILINKBDM
この Multilink は、PCのUSBポートに接続するように設計されています。 この製品には、いくつかのリビジョンがあり、対応する電源電圧などに違いがあります。 そのため、それぞれ対応するマイコンに違いがあります。 最新の REV.C だけが、上記のすべてのシリーズに対応していますので、購入時には注意が必要です。 価格は、$99.00です。
- USBMULTILINK12
HCS12対応の製品名でしたが、現在はUSBMULTILINKBDMに統一されています。
- USBMULTILINKS08
HCS08対応の製品名でしたが、現在はUSBMULTILINKBDMに統一されています。
この「Multilink」で使用されるBDMコネクタは、6ピンのコネクタです。 ColdFire V1 は、MCF51XXという型番で呼ばれます。
ColdFire V2 / ColdFire V3 / ColdFire V4 用MULTILINK
32-bitマイコンのColdFire V2/V3/V4シリーズは、Background Debug Mode (BDM) というインターフェースを備えています。 このインターフェイス規格を使ってデバッグを行う「Multilink」が存在します。 この BDM 規格は、HCS08シリーズの BDM 規格とは異なる規格で、26ピンのコネクタが使用されます。 同じ名前であっても、異なる規格ですので注意が必要です。
- USBMLCF
この Multilink は、PCのUSBポートに接続するように設計されています。 26ピンのコネクタが直接装備されており、フラットケーブルを介さずにターゲットボードに接続されます。 価格は、$299.00です。
MCF52XXシリーズのデバッグで使用されるのは、この「Multilink」です。 ColdFire V3 および V4 は、 MCF53XX, MCF54XX という型番で呼ばれます。
PowerPC 用MULTILINK
64-bitマイコンのPowerPCシリーズは、Background Debug Mode (BDM) というインターフェースを備えています。 このインターフェイス規格を使ってデバッグを行う「Multilink」が存在します。 この BDM 規格は、HCS08シリーズやColdFire V2シリーズの BDM 規格とは異なる規格で、10ピンのコネクタが使用されます。 同じ名前であっても、異なる規格ですので注意が必要です。
- USBMLPPCBDM
この Multilink は、PCのUSBポートに接続するように設計されています。 10ピンのコネクタがフラットケーブルを介してターゲットに接続されるように設計されています。 価格は、$249.00です。
対応しているのは、MPC5XXおよびMPC8XXだそうですが、私には何の事だか良くわかりません。
PowerPC Nexus 用MULTILINK
ある種の64-bitマイコンのPowerPCシリーズは、 JTAG/NEXUS というインターフェースを備えています。 このインターフェイス規格を使ってデバッグを行う「Multilink」が存在します。
- USBMLPPCNEXUS
PCのUSBとNEXUSをつなぐインターフェイスだそうです。 詳細は未調査。 価格は、$249.00です。
MPC55XXで使用されるそうですが、どんなコネクタになるのか、調査しておりません。
以上、ローエンドに厚く、ハイエンドに薄い調査となりましたが、違う「Multilink」を買ったりしないようにご注意ください。
参考文献
単にMultilinkが使えますと書いてはありますが…
Interface (インターフェース) 2008年 09月号 [雑誌]
- 作者:
- 出版社/メーカー: CQ出版
- 発売日: 2008/07/25
- メディア: 雑誌
ローエンドのBDMなら、こちら
HCS08 Unleashed: Designer's Guide to the Hcs08 Microcontrollers
- 作者: Fabio Pereira
- 出版社/メーカー: Booksurge Llc
- 発売日: 2007/11/13
- メディア: ペーパーバック
私の持っているUSBMULTILINKBDMはREV.Bでした。
ColdFire V1に対応していない可能性があります。
一度、ファームウエアが自動アップデートしたので、
もしかしたらと淡い期待を持っています。
まあ、ColdFireに関しては、対応するデモボードがありますから
何とかなるでしょうが、
私の問題点は、そんなところではなく、内にあるのだ。
by DAI (2008-07-25 22:16)
REV.C になってから、12Vのプログラム電圧を出力する機能が加わったので、少なくとも REV.B では、RS08 は扱えないと思います。また、 P&E Micro の WEB サイトによると、 ColdFire V1 も REV.C 以降で対応とのことです。
それ以上の情報は見つけられなかったので、どれとどれが使えるのかは、私には明言できない状態です。
by noritan (2008-07-26 13:04)