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scilabで遊ぼう (13) [プログラム三昧]このエントリーを含むはてなブックマーク#

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だんだん、scilabから離れてきたぞ。

scilabで遊ぼう (11)では、LTspiceで周波数特性のシミュレーションを行いました。 ところが、理論的に考えていたのとは違って、途中にへこみのある周波数特性が出てきてしまいました。 これは、入出力インピーダンスを無視したムリな設計に原因があるのだろうと予想しました。 そこで、今回は、「理想的な状態のモデル」を作って入出力インピーダンスの影響を確認します。

理想的なフィルタ

いうまでも無く、どんなものをつないでも確実に動作するフィルタというのは、入力インピーダンスが無限大で、出力インピーダンスがゼロの系です。 これは、高周波の世界では違うらしいのですが、オーディオ帯域の範囲ではそうなると思います。

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もちろん、そんなものは現実の世界には無いので、実現できるのはシミュレーションの世界だけです。 で、そんな理想的な特性を持つ素子を取り入れたのが、この回路です。

入力インピーダンスが無限大で出力インピーダンスがゼロになる「電圧制御電圧源」を使って、PID制御器と被制御システムを分離しました。 これで、それぞれのシステムの相互干渉はなくなるはずです。

入出力インピーダンスの影響を確認する

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モデルが出来たので、シミュレーションにかけてみます。 従来の直結回路と理想的システムを同時にシミュレーションして比較しています。 これによると、理想的なシステム(赤いグラフ)の方は、まっすぐ素直にゲインが下がっていきます。

一方、直結回路(緑のグラフ)の方は、200Hz付近にへこみのある特性になってしまいました。 このことから、両システムの入出力インピーダンスを無視していたことが妙なへこみの原因になっているらしい事が確認されました。

で、どうする?

直結回路のループ・ゲイン特性も、scilabで遊ぼう (11)のグラフと比べるとかなり異なっています。 どうも、ループ・ゲイン測定用に電圧源を挿入した位置によっても結果が異なっているようです。 シミュレーションによって確認する限りは、どうしようもないんですかね。

解決法としては、系の出力インピーダンスを下げるためにバッファを入れるぐらいしか思いつかないのですが、そうすると移相が回ってしまうのではないかという別の心配もあります。 なんとも、悩ましいところです。

付録 : 「scilab で遊ぼう」索引


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