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MC9S08SH4 のギャング出力でバックコンバータ (3) [HCS08]このエントリーを含むはてなブックマーク#

今回からバック・コンバータの制御方法を考えていきます。 最初は、定電圧制御のシステムを考えます。

バック・コンバータのシステムを考える

BuckConverter4.png

これが、今から作ろうとしているDC/DCコンバータのブロック図です。 前回までの記事では、ソフトウェアでPWMを作り、その出力にコイル(L)を付けて定電流源としました。 定電圧源にするため、コイルにキャパシタ(C)を付けてLCフィルタ(LC Filter)を構成し出力(Output)とします。

出力電圧は、アンチ・エリアス・フィルタ(Antialias Filter)を介してA/Dコンバータ(A/D Converter)により監視します。 出力電圧と目標値(Target)の差をエラー・アンプ(Error Amplifier)ソフトウェアで計算します。 その差によりPWM出力をコントローラ(Controller)ソフトウェアで制御して一定電圧の出力を得るという仕組みです。

フィルタの定数を考える

ソフトウェアで作ったPWMの周波数は、40kHzです。 そのため、40kHz付近にPWMが発生するノイズ成分が発生します。 このノイズ成分は、LCフィルタでフィルタリングされます。 出力に付けるキャパシタの値を470100µFとすると、LCフィルタのカットオフ周波数は、以下のように計算できます。

L = 5.8mH
C = 100µF
fC = 1 / ( 2 π sqrt( L C ))
fC = 209Hz

40kHz付近のノイズ成分を取るには十分です。 ゲインは -40dB/dec で低下していきます。

サンプリング周波数自体はA/Dコンバータの能力をめいっぱい使えば数100kHzにすることができます。 しかし、このシステムでは、サンプリングごとにPWMのデューティー比を計算する必要があるので、計算時間も考慮してサンプリング周波数を5kHzとしてみました。

A/Dコンバータの入力には、ナイキスト周波数と呼ばれるサンプリング周波数の半分以下の周波数まで入れることができます。 ナイキスト周波数を超える成分をフィルタリングするためにA/Dコンバータの入力に置かれるのがアンチエリアス・フィルタです。 ここでは、簡単にカットオフ・周波数約300HzのCRフィルタとしてみました。 ゲインは -20dB/dec で低下していきます。

R = 470Ω
C = 1µF
fC = 1 / ( 2 π C R)
fC = 339Hz

サンプリング周波数が上げられたら、カットオフ周波数をもっと高くしてみましょう。

BuckConverter5.png

それぞれのゲインは、この図のようになります。 アンチエリアス・フィルタのゲインは、サンプリング周波数で -22dB です。 カットオフ周波数をもっと低くした方が良いような気もしますが、ひとまずこれでやってみます。


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