ステップアップコンバータ HT77xxA を規格外で使うお話 (4) [電子工作]
HT77xxA で,定電圧出力回路を組んで白色LEDストリングを点灯させることが出来ました.でも,LEDを点灯させるなら,定電流制御の方がカッコイイよね.
この記事は,メーカが想定している使用例に従わない方法で半導体を使用した,私の個人的な実験メモです.このようにメーカが推奨しない使い方をした場合,結果について誰も保証することはできません.そのため,ご自身の責任の範囲で実験する以外の用途には使用なさらないでください.また,この記事で述べた使い方について,メーカに質問することもご遠慮ください.
HT77xxA には,電圧値をフィードバックしている
HT77xxA は,出力の様子をフィードバックしてスイッチングを制御しています.どんな値をフィードバックしているかというと,出力電圧を分圧した値です.つまり,電圧の情報です.それに対して,LEDを点灯させるときには,流す電流の値が重要になってきます.電圧を一定に制御して,そのうえで,電流制限抵抗で電流値を制御してやる.なんだか,もったいない構成ですよね.
最初から電流値をフィードバックする
そこで,出力電流値をそのままフィードバックできないか考えてみます.もちろん, HT77xxA が受け取るのは,電圧値なので,「LEDに流れる電流値を電圧値に変換する装置」が必要です.そんな,都合のいいものが,簡単に実現できるのでしょうか.
それが,すでに存在するのです.回路図の電流制限抵抗が,電流値を電圧値に変換する「電流センス抵抗」の役目を果たしてくれます.電流センス抵抗の一方の端子を 1kΩ の抵抗を介して "VOUT" 端子に接続するだけで,おしまいです.もはや,分圧抵抗も必要ありません. 1kΩ の抵抗は,起動時に "VOUT" 端子に電源を供給するために必要です.
このように接続すると,電流センス抵抗での電圧降下が 3.3V (実測では3.0V)になるように出力電圧値を制御してくれるので,結果として定電流駆動になります.さらに,この回路は,電流制御を行っているので,LEDの種類や数を問いません.出力電圧の範囲内であれば,すべてのLEDに等しい電流を流してくれます.
入力電圧にもよりますが,電流値を増やすために電流センス抵抗の値を減らしても, HT77xxA が駆動しきれないので,LEDに流すことの出来る電流は簡単には増やせません.もっと,明るく光らせる方法はないのかな.
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