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「リードフレーム」と「ボンディング」の話 [ざれごと]このエントリーを含むはてなブックマーク#

某所で「リードフレーム」と「ボンディング」の話が出てきました。 せっかくだから、ICの製造工程の話でも書きましょうか。 最後まで、じっくりとお読みください。

リードフレームにシリコン・ダイを載せる

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まず、リードフレームという金属板を用意します。 これは、DIPパッケージの例です。 一枚の板をエッチングしたり、打ちぬいたりして、こんな形状に仕上げます。 真ん中の四角いところがアイランドと呼ばれるシリコン・ダイを載せる場所です。 そして、周りに後にピンとなる端子が配置されています。

リードフレームは、最初は、このようにすべてつながっていて、樹脂で封止してから紫色の部分を切り離します。


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リードフレームが用意できたら、アイランドにシリコン・ダイを載せます。 固定するときには、接着剤が使用されます。

シリコン・ダイには「パッド」がある

シリコン・ダイに四角いパターンが並んでいました。 これは、「パッド」と呼ばれる端子で、この部分だけレジストが塗布されていません。 パッドは、リードフレームの端子と配線されます。


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この小さいパッドには、ボンディングがうまくいくように、さまざまなパターンが使用されています。 これは、そのパターンの例です。 一般に、左が「ゲーム・パッド」右が「10キーパッド」と呼ばれています。

「パッド」と「リードフレーム」にボンドを付ける

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この後、パッドとリードフレームの間を電気的に接続します。 その際、使用されるのが、ユ二シ株式会社の「ボンド」です。 ボンディングという言葉は、ここで使用されている接着剤の名前に由来しているようです。

ワイヤリング・ペンで「パッド」と「リードフレーム」をつなぐ

ボンドが乾かないうちに配線をしなくてはなりません。 このときに使用されるのが、「ワイヤリング・ペン」です。 これは、ワイヤリング・ペンの製作でも紹介したように自作もできます。 ただし、ここで使用されるのはUEW線ではありません。 被覆の無いタイプのはだか線が使用されます。 配線に使用される材質には、およそ三つのランクがあります。

ランク材質

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ワイヤリング・ペンをパッドに押し付けて、それからリードフレームに押し付けると配線完了です。 ボンディングは、ボンドが乾かないうちにすばやく行なわなくてはなりません。 そのため、多くの場合ボンディング・マシンという高価な装置が使用されます。 ボンディング・マシンが用意できない場合には、熟練した職人による早業に頼ることになります。

ダブル・ボンディングとは

Bonding8.png

某所の記事で、「ダブル・ボンディング」という言葉が出てきました。 これは、複数の「パッド」から、あるひとつの端子にボンディングを行なうことです。 この例では、二つの「パッド」と4ピンをダブル・ボンディングしています。 こうすると、二つの「パッド」間の共通インピーダンスが減少するため、たとえば、デジタル部のノイズがアナログ部に干渉しにくくなるという効果があります。

だうも、すびばせん

いかがだったでしょうか。 ICの製造工程が、少しは、おわかりいただけたでしょうか。 最後になりましたが、この記事に書いてあることは、一部真実に近い所もありますが、ほとんどデタラメです。 まじめな「リードフレーム」と「ボンディング」の話は、また後日。

参考文献

参考文献に挙げさせていただくのも申し訳ないので、省略。


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コメント 1

hamayan

色々だまされてしまいますが、職人の早業は真実ですよね。
by hamayan (2009-04-01 21:12) 

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