PSoC 4 を MDK-ARM で使いたい (7) [PSoC]
これまでの記事では、 KitProg を介して MDK-ARM を使う方法について探求してきました。
今回からは、 KitProg の代わりに
PSoC Programmer 3.24 の新機能
2015年11月に公開された PSoC Programmer 3.24 のリリースノートに、気になる記述がありました。 このバージョンから CMSIS-DAP と Mass-Storage が使用できるようになったという事です。 これが利用できれば、 CY8CKIT-042 PSoC 4 PIONEER Kit をそのまま使えます。
PSoC Programmer で KitProg を検出させる
さっそく、 PSoC Programmer 3.24 をインストールして起動します。 そして、 CY8CKIT-042 PSoC 4 PIONEER Kit を接続して検出させると、このようなダイアログが表示されます。
このダイアログは、検出した KitProg が最新のバージョンでは無いという事を示しています。 ダイアログには、「"Utilities" タブを開いて、 "Update Firmware" ボタンをクリックせよ」と解決方法も記されています。 ひとまず、 "OK" ボタンをクリックして、ダイアログを閉じます。
ファームウェアを更新する
Utilities タブにある "Upgrade Firmware" ボタンをクリックします。 ダイアログの指示には、 "Update Firmware" ボタンと書いてあって多少違いが有りますが、気にしない事にします。 すると、ブートローダが動き出して、ファームウェアの書き込みとベリファイが行われます。
ウィンドウ下部の状態表示に "Firmware Update Finished" が表示されたら、ファームウェアの更新は完了です。 表示から、 "KitProg Version 2.14" に更新された事もわかります。
モードを切り替える
書き換えたファームウェアは、 KitProg のモードと CMSIS-DAP のモードと切り替えられるようになっています。 まず、ファームウェアを更新しただけの状態をデバイスマネージャで見ると、「KitProg Programmer 独自インターフェイス」と「USB-UART 仮想 COM ポート」と「KitBridge HID デバイス」 の三つのデバイスのコンポジットデバイスになっている事がわかります。
この状態からモードを切り替えるには、リセットボタンを5秒以上押し続けます。 リセットボタンは、ターゲットである PSoC 4200 のリセットボタンに接続されていますが、同時に KitProg ファームウェアを書き込んだ PSoC 5LP の GPIO 端子にも接続されています。 KitProg は、この端子の状態を監視していて、5秒以上押された場合には、 CMSIS-DAP モードに移行します。
すると、デバイスの状態が変化して、 ”STATUS LED" が、緩やかに明滅するようになります。 また、デバイスマネージャからはこのように見えます。 コンポジットデバイスとして見えるのは同じですが、その内容が変化しており「Mass Storage」と「HID デバイス」の二つが含まれています。 これらのうち、 HID デバイスが、 CMSIS-DAP として振る舞います。
これをふたたび KitProg に戻すには、もう一度、リセットボタンを5秒以上押します。 このモードは、 PSoC 5LP に内蔵された EEPROM に記録されているため、 CY8CKIT-042 PSoC 4 PIONEER Kit を PC に接続し直した時でも直前のモードで立ち上ります。 また、 "Upgrade Firmware" を実行しても EEPROM の内容は保持されているので、厳密にはどちらのモードで立ち上るかわかりません。 どちらのモードになっているか、 STATUS LED を確認しながら使用する必要があります。
次回は、 MDK-ARM から CMSIS-DAP を経由して書き込みとデバッグを行います。
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- 出版社/メーカー: スイッチサイエンス
- メディア: エレクトロニクス
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